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スレート瓦(コロニアル・カラーベスト)の塗装について

スレート瓦

スレート瓦について

セメントと石綿(アスベスト)を高温高圧下で養生・成形した板状の石綿スレートに着色剤で着色したものを「化粧石綿スレート」といいます。
粘土瓦に比べ非常に軽量で安価であることから屋根材として普及しておりますが、近年では環境問題への配慮から石綿の代わりに人工繊維や天然繊維を使用した無石綿の化粧スレートが普及しています。

瓦の形状は数種類ありまして、一般的なスレート瓦の平型が大多数を占めていますが、その他にも波型や特殊な形状の瓦などがあります。

  • 平型
    平型
  • 波型
    波型
  • 特殊な形状
    特殊な形状

耐震・耐久性に優れ、美観的なものを気にしなければ塗装を行う必要がないといわれる瓦ですが、化粧層の劣化(塗膜の劣化・化粧セメントの劣化)にともない粉化すると、吸水率が上昇し収縮・膨張を繰り返し、瓦自体に反りなどの症状が現れることがあります。
また、瓦自体の強度が損なわれ割れやすくもなりますので、塗膜の褪色・剥れが目立つようでしたら、早目のメンテナンスをお勧めします。

スレート瓦で起きる劣化の症状

1.塗膜の褪色・剥離

  • 塗膜の褪色
    塗膜の褪色
  • 塗膜剥離
    塗膜剥離

瓦は特に紫外線・雨風にさらされている箇所となりますので、外壁に比べ劣化は早くなってしまいます。
劣化の初期症状として、塗膜の艶がなくなり色あせがおこります。
塗膜の剥離は塗替えを行った瓦によく見られる症状となりますが、塗り替えの際に洗浄不十分、または乾燥不十分による塗膜の密着不良が原因でおこる、塗膜の浮き・剥離が考えられます。

2.板金等の劣化・不具合

  • 板金の腐食
    板金の腐食
  • 塗膜剥離
    拡大
  • 板金の腐食
    板金の腐食
  • 釘の不具合
    釘の不具合

屋根面には瓦以外にも板金部に鉄材も使用しています。
鉄は瓦以上に劣化が始まると進行が早いため、早い段階でメンテナンスを行っておく必要があります。

下地処理について

下地処理の内容によって、仕上りの程度良し悪しや塗膜剥離などのリスクを軽減することが出来ますので、下地処理は特に入念に行う事が重要です。

高圧洗浄

15~20MPa程度の洗浄圧力で劣化した塗膜・汚れ等を除去し、塗装を行える状態にします。
OLYMPUS DIGITAL CAMERAスレート瓦 高圧洗浄

 

 

 

表面の汚れが綺麗に除去できていない状態で塗装を行うと、今度、塗膜剥離が生じるリスクが高くなりますので、可能な限り綺麗に洗い流しておく必要があります。

 

 

 

塗膜剥離

塗膜剥離塗膜剥離

 

 

旧塗膜の浮き・剥れは高圧洗浄だけでは除去しきれないため、ケレンを行い脆弱な塗膜の除去を行います。
この作業は、セメント瓦素材に密着していない旧塗膜に再塗装を施してもすぐに、浮き・剥れの原因になるため密着不良を予防する為にとても重要な作業になります。
(動画はセメント瓦の様子です)

 

 

 

釘の不具合

釘の不具合釘の処理

 

 

釘の固定不足などは再度打ち込んで固定を行い、きちんと板金の固定を行っておく必要がありますが、板金の下地の状態によっては釘が効かない場合もありますので、そのような時はステンレス製のビスに変更して固定を行うと良いです

また、釘抜け防止と水の侵入防止のため、釘頭にシーリング材を充填しておくとより安心できます。

 

 

縁切り

塗装を行った際に瓦と瓦が塗料によって詰まってしまうと、瓦内部に侵入した水を外部に排出することが出来なくなった結果、漏水や屋根下地の腐食につながってしまう恐れがありますので、そのような事を事前に予防するため、塗装の際には縁切り材「タスペーサー」を用いて、
タスペーサー予め水の排出が行えるように、隙間の確保を行っておくと安心です。
縁切り縁切りただし、この縁切り材は屋根の形状によっては取付不可となる場合や、
縁切りすでに隙間が確保されているような瓦の状態の場合は、
縁切り塗料による目詰まりの恐れがないため、あえて取付を行わないこともあります。
また、縁切り材の取付不可となるような屋根形状の塗装を行う場合は、瓦の隙間が塞がりやすくなりますので、通常の方法で縁切りを行っておく必要があります。

  • 縁切り(タスペーサー)
    縁切り材「タスペーサー」を用いた縁切り
  • 縁切り(通常の方法)
    通常の縁切り

縁切りに関しましては個別ページを作成しておりますので、そちらも合わせてご覧になるとよりわかりやすいかと思います

具体的な施工例の紹介

日々更新を行っている工事日誌のスレート瓦の施工事例です。
日報形式になっておりまして、毎日の作業内容を詳しく書いておりますので参考になるかと思います。

糸島市 M様邸

糸島市二丈町 M様邸 サイディングボード・カラーベスト塗装工事

外壁仕様 / 弱溶剤2液形アクリルシリコン樹脂
屋根仕様 / 弱溶剤2液形アクリルシリコン樹脂
工期 / H25.5.16 ~ H25.6.8
実働日数(人工) / 18日間(37.5人工)

糸島市 K様邸

糸島市 K様邸 サイディングボード・カラーベスト塗装工事

外壁仕様 / 水性1液形アクリルシリコン樹脂
屋根仕様 / 水性1液形アクリルシリコン樹脂
工期 / H25.7.18 ~ H25.8.26
実働日数(人工) / 13日間(32人工)

 スレート瓦に適した塗装仕様について

下塗はシーラー、上塗はアクリルシリコン樹脂という組み合わせが、一般的な仕様となっています。
屋根は外壁に比べ塗膜に負荷がかかりやすく劣化が早いため、なるべく高グレードの塗料を使用することが好ましいです。

下塗材(塗料メーカーは水谷ペイント) 上塗材(塗料メーカーはエスケー化研) 目的
マイルド浸透シーラー
水系カスタムシリコン 低価格
水系ナノシリコン 標準
水系シリコン 耐久型
パワーシリコンマイルドⅡ 耐久型 弱溶剤2液形
パワーフロンマイルド 高耐久

 

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