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モルタル塗装・施工の流れ

外壁塗装工事の施工工程説明 (モルタル塗装) 福岡市 Y様

今回のお客様は関東在住のお客様でメールでのお問い合わせになります。
数社の相見積りを取られ検討された結果、弊社を選んで頂きました。
まず最初に契約頂いた工事内容は外壁工事ではなく内装工事でした。
建物自体賃貸物件だったので、退去時の現状回復のための工事内容でした。
内容は、クロスの清掃(クリーニング)・木部腐食部補修・木部塗装(一部)・火災報知機取付・室内清掃・障子張り替えといった工事でした。
約一週間の工事を経て、工事内容を観られた結果、本工事の外壁塗装の契約を頂く事となりました。

Y様 誠に有難う御座いました。

契約を頂き工事に掛るまで一ヶ月間程ありましたので、その間にカラーシュミレーションを数回メールで行い、十分検討され着工する運びとなりました。
通常通り、工事の一週間程前に、近隣の皆さんに書類持参の上、工事内容の説明と挨拶をして廻り、事前にご迷惑をおかけする事の了解を得ておきます。

まず工事前の外観の写真です。

工事前外観

ここで、一旦建物の概要と提案内容を整理しておきたいと思います。
木造モルタル造

部位 材質 既存仕上 工程 提案仕様 塗り回数 材料名
外壁 モルタル 吹付けタイル
アクリル樹脂塗料
下地調査 微弾性フィラー
厚膜工法
1 水性ソフトサーフSG
下塗り
中塗り
上塗り 弱溶剤2液型シリコン樹脂塗料 2 クリーンマイルドシリコン
屋根 モニエル アクリル樹脂塗料 下地調査
下塗り 弱溶剤2液型エポキシ樹脂塗料 1 マイルドシーラーEPO
上塗り 弱溶剤2液型シリコン樹脂塗料 2 ヤネフレッシュSi
木部 SOP
合成樹脂調合ペイント
下・上塗り 弱溶剤2液型ウレタン樹脂塗料 2 クリーンマイルドウレタン
鉄部 SOP
合成樹脂調合ペイント
下塗り 弱溶剤2液エポキシ樹脂サビ止め 1 マイルドボーセイ
上塗り 弱溶剤2液型ウレタン樹脂塗料 2 クリーンマイルドウレタン
軒天 ケイカル板 アクリル樹脂塗料 下塗り 水性カチオン型シーラー 1 水性ミラクシーラーエコ
上塗り アクリル樹脂塗料 2 サニービルドEX
クラック
0.3mmまで
フィラー擦り込み
クラック
0.3mm以上
Uカット工法

という仕様を今回提案させて頂きました。

下地補修方法は、比較的小さいクラックに関してはフィラーの擦り込みで対応し、ある程度大きいクラックに関しては、漏水に繋がる恐れがある為Uカット工法で補修をする内容です。
また塗装に関しては、膜厚がなるべく付く様に微弾性フィラーを厚膜で塗装し、上塗りにはシリコン樹脂塗料の中でも、性能が高い弱溶剤二液型での塗装を選んでおります。

それでは、実際の工事に移っていきたいと思います。

1.まず始めは仮設工事です。一側足場で組み立てます。

1.この様に組立が終わりましたら、実際に足場に上がってみて建物の状況の確認です。まずは屋根から

2.コケが生えています。次は、外壁の様子のクラックの状態です。この様なクラックが数か所見受けられました。(写真は施工中のものになっております)

2.この箇所はブリードが起こっていますね。(写真は施工中のものになっております)

3.大体の劣化状況はこの様なものになります。一般的に良くある、塗膜の劣化(チョーキング)はこの建物では、それ程起こっておりませんでした。
劣化の状況を踏まえて、次の工程、高圧洗浄に移ります。まずは最初に屋根を洗います。

3.こちらの写真は拡大です。

4.先ほど見受けられたコケを高圧の洗浄水で撤去していきます。同時に劣化した塗膜も撤去します。
屋根の洗浄が終わると、次は外壁の洗浄になります。

4.そして最後に外構の洗浄です。
外構は特に高圧洗浄をすると綺麗になりますね。この様に建物全体を洗い、高圧洗浄は終了になります。

5.洗浄が終わりましたら、次は下地処理の工程に移ります。まずはクラックの処理から行っていきます。
クラック写真

5.この様な少し大きなのクラックの処理からです。大きめのクラックはUカット工法という処理方法で補修します。最初にクラックの上に、U字状の溝を機械を使用してカットします。

6.カットが終わった状況です。

6.次はこのカットしたU字状の溝に、シーリングをする為のプライマーを塗ります。プライマーとはシーリング材の密着が良くなる為の材料になります。

7.プライマーが十分乾燥後、シーリング材を溝の中に充填します。

7.この様な感じにシーリング材を充填します。

8.シーリング材が乾燥後、カットした溝を埋め戻します。埋め戻す材料は、カチオンフィラーという材料を使用します。

8.埋め戻しが終わった状況です。

9.乾燥しましたら表面を平らにする為に、機械で削ります。(他の作業と並行して行っていますので、廻りが塗装してある状況の写真になっています。)

9.削り終りクラックの補修が完了となります

10.この補修した箇所は、廻りの壁と違いまして補修を行った為にフラットになっています。(廻りは塗装の凹凸がありますが、この箇所はそれがなくなってしまっています)このまま塗装をしていきますと、この箇所のみ下地の状況が違いますので、仕上感にも影響してしまう事となりますので、廻りの状況と同じ様な模様を付ける作業を行います。この作業は吹付けでの作業となります。

10.機械を使用し吹付け(吹付けタイル模様)が終わりました。吹付けタイルの模様が出来ていますね。

11.廻りの仕上げは吹付けタイルのヘッドカットという仕上げになっています。ヘッドカットとは、その名の通り頭(吹付けた玉の上部)をつぶしてある仕上げになります。ですので、この箇所も同様にヘッドカットをして廻りと合わせたいと思います。この様にヘッドカットを行います。

11.ヘッドカットも終わり、廻りと同じ模様が付け終わりました。

12.同様に他のクラックが発生している箇所も補修していきます。

12.

13.

13.

14.この作業で使用した材料の紹介です。まずUカット内部に充填するシーリング材になります。サンスター技研 ペンギンシール 999

14.溝を埋め戻すカチオンフィラーです。

15.模様付けの為の材料です。エスケー化研 レナラック

15.大きなクラックの補修が終わりましたので、次は小さなクラックの補修を行います。この作業はフィラー擦り込みといった工法で補修します。まず現状の確認です。写真では分かりづらいですが、小さいクラックが発生しています。

16.この箇所にフィラーという材料を使用して、上からその材料を擦り込む様に埋めていきます。

16.以上で完了です。

17.これで大小のクラックの補修が終わりました。クラックについては当初の予定は終わりましたが、了承を得て、外壁の目地の箇所も少し補修を行う事にしました。まずは現状写真。

17.この目地は通常割れやすい箇所になりますので、この箇所をシーリング材で充填して割れにくくするという作業も行う事にしました。まず最初にプライマーの塗布です。

18.プライマー乾燥後、シーリング材の充填です。

18.以上で完了になります。

19.この作業を建物全体に行いました。

19.当初の予定にはありませんでしたが、必要上、やむを得ず了承を得ての作業も行いました。使用材料です。

20.最後にブリード箇所の補修を行います。まず現状です。

20.この箇所にブリードを防ぐ塗料を塗布します。

21.この塗料を塗る事により、黒くなる現象を防ぐことが出来ます。ブリードとは、この内部には恐らくシーリング材が充填されていると思われますが、そのシーリング材の成分(可塑剤)が表面ににじみ出てきてこの様に黒く汚れた様になってしまう現象です。シーリング材を使用した際、ノンブリードタイプがありますので、その様な材料を使用すればこの現象は防ぐ事が出来ます。しかしながら、今回の場合では恐らく、そのタイプのシーリング材を使用してはいなかった為、この様にブリードが起こってしまったのでしょう。ブリードを今回の工事で押える為に、この塗料を塗布しその様な状態を改善します。塗布完了です。

21.そのブリードを抑える為に使用した材料はエスケー化研 SKバリヤプライマーになります。

22.これで、外壁の下地は完成です。今から塗装の工程に移っていきたいと思います。まずは屋根の塗装からの説明です。当初の写真

22.高圧洗浄後

23.途中まで完了していますね。ですので、この後の工程からの説明です。まずは下塗りプライマー。

23.下塗りプライマーが完了した状況になります。プライマーは透明ですので分かりにくいですが、全体に均等に塗っています。それとこの劣化したモニエル瓦は非常に沢山の材料を吸い込みます。劣化したモニエル瓦は表面にスラリー層という脆弱な層があるのですが、この層が非常に厄介な層になっています。この層を高圧洗浄で洗い流して撤去していくのですが、完全には中々撤去出来ません。その僅かながら残った層を、完全に固めるために、下塗り材のプライマーは十分吸い込ませる必要があります。この層がきちんと固まらないうちに塗装をしてしまうと、塗替え後僅か数年で剥がれが生じてきます。ですので、確実に固める為にも2回程塗らないといけない場合があります。今回は1回まず塗り、2回目は吸い込みが悪い箇所を重点的に塗布しました。

24.プライマーの乾燥を待って(約1日間養生)上塗りの1回目を塗布します。

24.段差を刷毛で塗りまして、平らな部分はローラーで塗布します。1回目完了の写真です。

25.1回目の塗装が乾燥後、上塗り2回目の工程に移ります。

25.分かりにくいので拡大した写真です。これでも分かりにくいですね(汗)

26.この作業が終了後、完成となります。

26.それでは、屋根で使用した材料の紹介です。下塗り材
エスケー化研 マイルドシーラーEPO

27.上塗り材
エスケー化研 ヤネフレシュSi
この2種類になります。
以上で屋根の塗装が完了しました。

27.次は、外壁の塗装に移りたいと思いますが、まず、外壁を塗る前に天井の部分(軒天)から塗装していきます。
この箇所が天井(軒天)になります。

28.最初は下塗りのシーラーの塗布です。

28.シーラー完了の状態です。これまた透明なので分かりにくいですね(汗)

29.シーラー乾燥後上塗り1回目に移ります。目地の部分は刷毛で塗り、その他はローラーで塗布します。

29.上塗り1回目が終わりました。

30.そして、乾燥後2回目を塗布していきます。

30.別角度からもう1枚。
中央付近で1回目と2回目の差が分かります。この作業を経て、天井(軒天)の塗装は完了です。

31.それでは使用した材料の紹介です。
下塗り材
エスケー化研 水性ミラクシーラーエコ

31.上塗り材
エスケー化研 サニービルドEX

32.天井の塗装が終わりましたので、次はいよいよ外壁の塗装に移ります。まずは現状の写真です。
真ん中赤く見えるのはサビ止めになります。
外壁の塗装の劣化がひどい場合は下塗り材のシーラーという材料をまず塗布するのですが、今回の建物はそれ程起きて無かった為、下塗り材と中塗り材兼用の微弾性フィラーという材料を使用します。下塗り中塗り兼用の微弾性フィラーの塗布状況です。この作業は膜厚を付ける為、マスチックローラーというローラーを使用し塗布します。

32.この作業は膜厚を付ける為、マスチックローラーというローラーを使用し塗布します。マスチックローラーという物は穴が沢山開いているこの様なローラーになります。

33.拡大写真

33.この様なローラーを使用して塗布します。このローラーは模様が付きますので、その模様が均等になる様に塗布していきます。

34.この様なローラーを使用して塗布します。このローラーは模様が付きますので、その模様が均等になる様に塗布していきます。

34.その他の箇所も同様に塗布しています。

35.

35.次は、上塗りの工程です。まず上塗りの1回目の塗布になりますが、今回のお客様は1回目と2回目の色を変えて下さいとの要望がありましたので、1回目と2回目の色が違う材料の準備をします。
1回目の色を調色をして、作成します。
調色の風景です。

36.そして出来あがった1回目の色をまず全体に塗布します。

36.上塗り1回目の完了です。今回はツートンカラーですので、2色作成して塗布しています。

37.1回目が乾燥した後、本来の色を塗布していきます。この作業が上塗り2回目の工程になります。

37.拡大です。中央付近から色の違いが分かります。

38.

38.この様に上塗り2回を経て、外壁塗装の完了となります。

39.それでは、使用した材料の紹介です。
まず下塗り中塗り兼用材
エスケー化研 水性ソフトサーフSG

39.上塗り材
エスケー化研 クリーンマイルドシリコン
以上が外壁使用材になります。

40.外壁が塗装終わりましたら、次はその他付随してあるものの塗装です。まずは破風板の塗装です。

40.最初に表面の目荒らしと脆弱な塗膜の除去を兼ねて、ケレンという作業を行います。ケレンはサンドペーパーを使用します。

41.ケレンが終わりましたら、隙間部の補修です。まず、隙間の箇所の廻りに材料が付かない様にテープを貼ります。

41.次にその箇所にシーリング材を充填します。今まで同様プライマーを塗ってからの作業になります。

42.表面を整えて

42.完了です。

43.下地処理が終わりましたので、次は塗装の工程になります。仕様は上塗り2回塗りでの仕上げとなっています。
まず上塗り1回目

43.1回目の完了です。

44.1回目乾燥後、上塗り2回目を塗り

44.破風板の塗装が完了です。

45.次は庇の塗装を行います。まずは現状です。

45.この様に小さなサビが発生していますね。

46.このサビをケレンという作業で除去します。

46.ケレンでサビを除去し終わった後サビ止めを全体に塗布します。

47.サビ止め完了です。

47.他の箇所も同様に塗布します。

48.

48.サビ止めが乾燥後、上塗りの工程です。まず上塗り1回目

49.そして上塗り2回目

49.完了です。

50.同様にトイを塗装し

50.最後に濡れ縁を塗装して、すべての工程が完了となります。
すべての工程の完了となりました。

51.ここまでの使用材料は
サビ止め エスケー化研 マイルドボーセイ

51.塗れ縁塗装材料
日本エンパイロケミカルズ キシラデコール

52.以上で工事の完了です。まず全体写真。

52.他の角度から

53.

53.

非常に綺麗になりました。
補修の箇所もまったくわかりません。
十分検討された、ツートンの色合いもバッチリですね。
お客様は関東在住の方でしたので、工事の完了に付きましては、この写真でのご報告になりました。
メールでしたがお礼の返事を頂いた時はやはり嬉しいものですね。

本当にY様工事をさせて頂きまして、誠に有難うございました。