外壁塗装工事の施工工程説明 (コンクリート塗装) 福岡市西区 T様
こちらのお客様はホームページからのお問い合わせで依頼を受けましたお客様になります。
非常にエコに興味を持っておられ、伺った当初から断熱塗料に決められていた様です。
見積りは2社の相見積りでした。
価格的にはそんなに大差無いようでしたが、2社違った提案をしていた様で、最終的に私(弊社)の提案内容を選んで頂きました。
誠に有難うございました。
非常に塗料に詳しく、見積りに伺った際や内容検討の際には、私自身も勉強になった多々事がありました。
良い機会を与えて下さいまして本当に有難うございました。
今回提案しました内容です。
部位 | 既存仕上 | 提案仕様 | 材料名 |
---|---|---|---|
外壁 | アクリルリシン下地単層弾性塗替え済み | 断熱遮熱工法 | エスケー化研 サーモシャット工法 |
屋上 | シート防水 | 劣化部補修後 遮熱トップコート | 東洋ゴム ETCカバーペイント |
ルーフバルコニー | ウレタン塗膜防水 | 遮熱ウレタン防水 | エスケー化研 クールタイト |
トイ他 | 不明 SOPの様な感じでした | 弱溶剤2液型ウレタン樹脂塗装 | エスケー化研 クリーンマイルドウレタン |
鉄部 | 鉄の上にプラスチックの保護材が巻いてありました | 腐食部ケレン後 弱溶剤2液型エポキシサビ止め+弱溶剤2液型ウレタン樹脂塗装 | マイルドボーセイ+クリーンマイルドウレタン |
といった内容を提案しております。
その後契約を頂きまして、まず工事に取り掛かる前の準備を行います。
最初に、通常通り、近隣の皆さんに工事が始まる旨を伝えに挨拶廻りを行います。工事の10日前位に行います。
今回の建物は2軒長屋の様な造りでしたので、隣も含め廻りに隣接してある皆様に書類を携帯し(工程表等)1件1件廻っていきます。
その後工事開始の日より、いよいよ工事が開始です。
1.最初は仮設工事から始まります。一側足場でこの様に組み立てていきます。
1.足場が組み終りましたら、まずは周囲を見て現状の確認です。それでは状況を見ていきたいと思います。まずは屋上から。浮いている様です。
2.
2.この箇所はトップコートが剥がれています。
3.ここは塗装の剥離ですね
3.ここはクラックからサビが出てきています。このクラックより水が内部に入り、恐らく中の鉄筋が錆びているのでしょう.
4.軒天の様子です。浮きが生じています。この天井の箇所は、通常では塗らない塗装がしてありましたので、恐らくその塗装+上部からの漏水で浮きが生じている様です。通常では塗らない塗装というのは、この天井に当たる箇所は、この様に万が一漏水が起こった際にでも水を通す様な性質の塗料を使うのが一般的ですが、今回の建物は弾性塗料を塗ってありました。この弾性塗料は外からの水には非常に強いのですが、中からの水(湿気も含む)には逆に非常に弱いです。この様な箇所に使用する塗料は、通常透湿性のある性質の塗料を使用します。この様に漏水時でも、湿気を塗膜を通って外部に逃げていく為、この様に浮き(膨れ)に繋がりやすくは無いのですが、この弾性に限っては、全く湿気を通しません。ですので、その箇所に湿気が溜まってしまい、結果浮き(膨れ)が生じてきます。
4.この様な小さな浮きも比較的多数生じていました。
5.ここは爆裂部になります。内部に侵入した水が鉄筋の箇所に及んでいる場合に、比較的起こります。浸入した水により鉄筋が腐食し錆びが発生します。鉄は腐食すると(サビ)体積が膨張します。その膨張する圧力により、表面が膨らんでしまうのです。この様に膨らんでいる箇所は、間違いなく鉄筋は腐食していると思われます。
5.ここもクラックが発生していますね。この様なクラックから内部に水が入っているものと思います。
6.大きな劣化の状況はこれで把握出来ました。この事を踏まえて工事に移って行きたいと思います。下地補修が沢山ある場合は最初に下地補修を行うのですが、今回はそんなに沢山あるという程でも無いので、高圧洗浄をまず行います。最初は屋上から洗います。
6.当然汚れていますね。洗ったところとそうでないところの差がわかりやすい写真です。
7.次にルーフバルコニーです。
7.そして外壁を洗っていきます。
8.建物が終わりましたら、この様な箇所も洗います.
8.床のレンガも洗います。この箇所は非常に汚れが酷くて時間が掛りました(汗)
9.駐車場がある場合には当然一緒に洗います。
9.この様な箇所は洗っていて非常に楽しいです。メチャクチャ綺麗になりますので ^^
10.この様に洗浄が終わりましたら、まずは下地補修を行います。まずはクラックの補修からです。現状の写真です。
10.このクラックは大きめのクラックでしたので、Uカット工法という補修方法で直します。Uカット工法とはU字の溝を彫り、その溝に伸縮性のあるシーリング材を充填し、そのシーリング材で万が一建物が動くような事があったとしてもその動きに追従させ(弾力性がある為、伸びたり縮んだりします)クラックを起こさせないといった工法になります。まず、シーリング材を充填する溝彫りです。サンダーを使って彫っていきます。
11.U字に溝がカット出来ました。
11.
12.この箇所も同様に行います。この箇所は目地を作成しますので、広めにカットします。
12.目地を清掃後、シーリング材の密着が良くなる様にプライマーを塗ります。
13.次にプライマー乾燥後、シリング材の充填です。
13.この箇所はこれで完了です。
14.先ほどカットした箇所も同様に、プライマー塗布後シーリン材を充填します。
14.充填完了です。
15.この使用するシーリング材は、ノンブリードタイプのシーリング材を使用します。ノンブリードタイプでは無い場合は、後々この箇所が黒く汚れが滲み出だ様になって美観的に綺麗ではありません。ですので、使用するシーリング材はノンブリードタイプを使用します。
シーリング材が乾燥後、カットした溝をカチオンフィラーというもので埋めて戻します。
15.
16.これがカチオンフィラーというものです。通常のモルタル(セメント)とは違い、非常に高い密着力があります。
ミラクファンド KC-1000
16.16補修が終わった状況です。補修した箇所は、廻りと違いツルっとした感じ(フラット)になってしまっています。もし、このまま塗装をしたら、この補修箇所が非常に目立ってしまうので、廻りの模様と合わせる為にこの後、肌合わせという作業を行います。廻りの模様(肌)と合わせるという事ですね。
17.廻りの模様はリシンです。(砂壁状)ですので同じ模様を付ける為に、リシンを吹付けます。
17.
18.リシンの吹付けが終わった状態です。廻りと同じ模様になりました。
18.以上の工程を持ちまして、クラック補修Uカット工法が完了しました。次は爆裂補修に移ります。
まずは現状確認
19.この箇所をタガネとハンマーを使用し、はつり落とします。
19.
20.はつり落とし終った状況です。
20.この鉄筋のサビをワイヤーブラシで削ります。
21.その後、鉄筋箇所に防錆材を塗布します。このサビ止めはこの様な爆裂部専用のサビ止めになります。ですので色も黄色と変わっていますね。
エスケー化研 ミラク防錆 使用
21.防錆材乾燥後、次の工程です。カチオンフィラーを使用して埋め戻します。まず、少し軟い材料を刷毛で塗ります。小さな隙間等にも押し込むイメージです。
22.乾燥を待って次の工程に移ります。次はコテを使用して、埋め戻します。まず最初に粒子の粗い材料で埋め戻します。
22.乾燥後、次は粒子の小さい材料でその上から塗り付けます。
23.これで爆裂部の補修が完了しました。
23.次は塗膜の浮き部の補修です。
まずは現状です。
24.この箇所はすでに漏水が起こっている箇所でした。今回漏水しない様に防水工事も行いますが、万が一、また起こらないとも分かりません。場所に付きましても、この同じ個所が起こるとも言えませんので、安全策をとって、このルーフバルコニーに係わっている軒天に限っては、この現在塗装してある弾性の塗膜を撤去する事にしました。サンダーで削り取って行きます。
24.やっとここまで削りました。この作業だけで1人で1日はゆうに掛ります。
25.ひたすら削って完了です。削った際に下地はガタガタになっていますので、次はその補修を行います。まずは全体にプライマーを塗布します。
25.次に明らかに下地が悪い箇所のみ部分的に補修します。
26.そして、最後に全体を粒子の細かい材料で塗っていきます。
26.完了です(汗)この箇所の補修は大変でした。
27.この箇所で使用した材料はこちらです。
NSゼロヨン 日本化成
27.大きな箇所の補修はほぼ終わりましたので、後残すは小さな箇所のみです。まずは、この箇所
塗膜剥離の起こっている箇所になります。
28.ここはサンダーで削って
28.終了です。
29.
29.次は防水の補修です
浮いている箇所を撤去します.
30.
30.この箇所を補強のクロスを入れて補修します。
31.補修をした状況です。
31.この様に他の箇所も補修をします。
32.以上で下地補修が完了しました。実際の工事ではここまでの作業というのが、かなり時間が掛ります。塗装をする事と同じぐらい掛るものです。
それでは塗装の工程に移っていきたいと思います。まず、汚れてはいけない箇所をビニールで覆います。養生という作業です。
32.養生完了後、下塗り材のシーラーを塗布します。
33.シーラー完了後(養生期間を十分において)中塗りの工程に移ります。今回の塗装のテーマは、断熱塗装です。その断熱の役割を受け持つ中塗り材を塗布します。この中塗りの厚みで断熱性能が決まりますので、この中塗りは2回塗布し塗膜の厚みが付く様に施工します。また、厚みが付くローラーで塗布します。そのローラーはマスチックローラーというローラーになります。
33.この様に穴が沢山開いている特徴のローラーになります。
34.まず、中塗り1回目
34.中塗り1回目が完了した状態です。
35.1回目が乾燥後、中塗りの2回目になります。
35.2度の中塗りが完了した状態です。
この作業により塗膜の厚みが十分確保されました。
36.中塗り乾燥後、上塗りの工程に移ります。この上塗りの作業も2回塗りですので、まず1回目の塗布からです。
36.1回目の上塗りが完了です。
37.乾燥を確認後上塗り2回目になります。
37.上塗りが2回終り、外壁の塗装が完了です。
合計5回塗りの仕様になっています。
38.次の作業は軒天の塗装です。下塗りシーラーは、外壁と同時に塗布していますので上塗りの工程の説明です。この箇所は、補修箇所となっています。ですので、下地がフラットになっていますので、廻りの模様に合わせる為に吹付けで塗装します。目地の中などは塗装がしにくい箇所ですので、最初に刷毛で塗装しておきます。
38.次に吹付の作業です。
39.乾燥後、2回目の塗装になります。1回目の吹付けで模様は付いていますので、2回目はローラーで塗布する事にします。
39.2回塗布が終わりましたら、完了になります。
40.その他、トイの様な箇所も塗ります。表面を目荒らし(ケレン)をし、塗料の密着力が高まる様にします。
40.そして、塗装です。他の箇所同様、この箇所も2回塗りで仕上げます。
41.ルーフバルコニーの手摺は、腐食が酷いので
41.機械を使用し、サビ落とし(ケレン)します。
42.この様な感じです。
42.サビの箇所にサビ止め塗料を塗ります。
43.分かりにくいですが、サビ止めが終わった状況です。
43.サビ止め乾燥後、この箇所も他と同様、2回塗りで仕上げます。
44.完成です。
44.次は、このルーフバルコニーの防水の工程に移ります。この箇所は漏水が起こっています。実際に漏水箇所付近を点検後、怪しい箇所がありましたので、その箇所をまず補修します。その箇所にはクラックが入っています。恐らくこのクラックより雨が浸入し、内部の浮いている箇所を伝いながら、下の天井部(軒天)に繋がる水の通り道がある様に思われます。このクラックと内部の浮きを、エポキシ樹脂のボンドを注入する事により、塞いでしまい、且つ、接着させようという目的でこの工法選びました。まず注入する穴を開け、その箇所からエポキシ樹脂のボンドを注入します。
45.この様にこの箇所を補修をし終り、防水工事に移って行きます。まず下塗りのプライマーです。
45.プライマーが完了です。
46.中塗りの1回目
この材料は乾くとゴムの様になります。
46.中塗り1回目が終わった状況です。下地がまだ薄っすら見えますね。
47.1回目が乾燥後、中塗り2回目に移ります。コテを使用し塗布します。
47.72回の中塗りが完了しました。1回目完了時には見えていた下地がわからなくなっていますね。
48.中塗り乾燥後、後は上塗りを残すのみです。上塗りも2回塗りで仕上げます。この様にローラーで2回塗りまして、
48.完了です。綺麗ですね。
49.まず始めは仮設工事です。一側足場で組み立てます。
49.この様に組立が終わりましたら、実際に足場に上がってみて建物の状況の確認です。まずは屋根から
50.まず始めは仮設工事です。一側足場で組み立てます。
50.この様に組立が終わりましたら、実際に足場に上がってみて建物の状況の確認です。まずは屋根から
51.まず始めは仮設工事です。一側足場で組み立てます。
51.この様に組立が終わりましたら、実際に足場に上がってみて建物の状況の確認です。まずは屋根から
52.まず始めは仮設工事です。一側足場で組み立てます。
52.この様に組立が終わりましたら、実際に足場に上がってみて建物の状況の確認です。まずは屋根から
53.まず始めは仮設工事です。一側足場で組み立てます。
53.この様に組立が終わりましたら、実際に足場に上がってみて建物の状況の確認です。まずは屋根から
54.まず始めは仮設工事です。一側足場で組み立てます。
54.この様に組立が終わりましたら、実際に足場に上がってみて建物の状況の確認です。まずは屋根から
55.まず始めは仮設工事です。一側足場で組み立てます。
55.この様に組立が終わりましたら、実際に足場に上がってみて建物の状況の確認です。まずは屋根から
56.まず始めは仮設工事です。一側足場で組み立てます。
56.この様に組立が終わりましたら、実際に足場に上がってみて建物の状況の確認です。まずは屋根から
57.まず始めは仮設工事です。一側足場で組み立てます。
57.この様に組立が終わりましたら、実際に足場に上がってみて建物の状況の確認です。まずは屋根から
完成後の写真です。
以上が今回の工事の内容の説明です。
お客様にも、非常に喜んで頂けました。
且つ、私自身も満足のいく工事が出来ました。
T様 本当に有難う御座いました。