ここまででいくつかの段階を踏まえ、ほぼ、依頼する業者は決まったと思います。
ここでお話しますことが最終的に一番重要なことです。
その話をする前に、一番あってはならない手抜き工事について少しお話します。
自分の家の工事が手抜き工事だったと知れば、本当にがっかりもし、腹も立ちますよね。
しかし、何故起こるかという事が分かれば、それを防ぐ手立てがない事もないのではないでしょうか。
一般的に塗装工事で手抜きとされる工事は以下のようなものです。
①塗り回数の誤魔化し
②材料費の節約のため、必要以上に塗料を薄めたり、または、指定の材料ではなく、同じ
内容の材料で安価なものを使用する(酷い場合には全く別の材料を使用していたりする場合もあります)
③細部の処置に関するもの(刷毛を使って塗りにくいところは、下塗をせずに上塗をする場合があります)
大きく分けてこのような手抜きが一般的です。
すべてに共通して言える事は工事をする際に十分な予算や工期が無い場合です。
前にもお話しました通り、幾ら高いお金を出していても、実際に施工している業者にそのお金がいってない場合には手抜き工事は起こりやすくなります。
元請け業者から低予算での工事を決められている業者は、その予算内で完工させなければならない為、クレームが出ないように見た目ではわからない部分で、このような手抜き工事に繋がってしまうものだと私は思います。
その中でも、元請け業者がその様な指示を出してくる場合もあります。
予算の権限を持っている元請け業者がゆえに、低予算で工事をさせて自社の利益を増やすといった考えからそのような指示を出してくるのかもしれません。
もしくは、元請け業者もギリギリの予算で契約した為、必要性があってその様に言ってくるのかもしれません。
その意図はわかりませんが、残念ながら私は2つとも経験してきました。
私自身はそのようなことは行いたくありませんので、現在ではそのような工事は請けておりません。
本来ならば間違いない仕事の結果に応じて、その対価を得られるべきではないでしょうか。
しかし、中々出来ない現実がかなりあるのが今の実情です。
下請け工事ですら厳しい実情ですので、孫請け業者はもっと深刻な実情があると思います。
実際に直接工事をする業者に十分な予算が与えられれば回避する事が出来るわけですし、
業者間の問題でありながら、その被害を受けるのは施主様となってしまうことを私はとても悲しく思います。
このように必要性にかられての手抜き工事ではなく、利益追求のために意図的にやっている手抜き工事もあります。
十分工事を行う事が出来る予算があるにもかかわらず、出来れば利益を沢山残したいが故手抜きを行う事です。
前者の場合は、必要性にかられての手抜きだったかもしれませんが、後者の場合は自分(自社)の利益欲だけです。
この手抜き工事だけは、私としてはこのページを読んで頂いている皆様には起きてほしくないと願うところです。
そして、出来れば回避できるようにと、今まで色々な事をお伝えした次第です。
理想の製品とは、「価格は安く、且つ性能も良い」とされるものですね。
ですが、この塗装工事を当てはめるにはなかなか厳しいところです。
塗装とは塗料を塗るという作業を伴って初めて、本来の製品となります。
この作業の内容により、出来あがる製品の質が決まってしまいます。
塗料という「半製品」を使い、その塗料を塗る作業により初めて製品となる事が出来る訳です。
例えば、絵画の世界で話しますと、
ある画家が1つの画を描きました。
十分に時間をかけ、その人物の画に対する情熱も入れて描いた画と、1週間程度で早く仕上げようと思い描いた画は当然同じものではないですよね。
同じ題材で、同じ構図で、同じ絵具を使ったとしても、出来あがった画は違うものが出来あがります。
この塗装工事もこのことと同じ事なのです。
同じ材料で、同じ建物を塗ったとしても、その作業にかける時間で全く違うものが出来あがります。
つまり、良いものを作ろうと思えば、当然時間がかってしまうのです。
時間がかかるという事は、費用もかかるという事でもあります。
良い仕事をしようと思う業者の見積書は結果的に比較的高くなってしまいます。
単純に金額だけでの比較になりがちですが、この考え方からすれば、ある程度価格は質に比例しやすくなります。
ですから、まずは工事の目的(今後の保証、価格、工事内容等のうち何を優先するのか)を明確にし、複数の業者に見積りを依頼する。
次に、見積もり内容からどの業者が自分の建物を工事するのに適した業者なのかを判断する。また、見積書からそれぞれの業者の姿勢や熱意も読み取り、特定の業者を選定する。その結果、残った業者の見積もり内容で再度各業者に見積もり依頼をして価格を検討し、業者の再選定をする。
それと同時に直接施工を行う業者でしたら、その方の人柄・知識・経験も合わせて判断をする。
そして、依頼先を最終的に決定する。そして、契約条件に工事の写真提出をあげることです。手抜き工事防止になります。
以上のような方法をとることが出来れば、比較的後悔するような工事が行われないかと思います。
今まで、色々な条件で業者を選定してきたのですが、その選定条件のすべてにおいて、共通している事があります。
それは、工事を行うに当たって非常に重要な事となります。
その重要な事とは、実際の工事を受け持つ人の人柄を判断していく事なのです。
何故なら、実際の工事はその人間が行う為、その人間の考えている事がすべて反映されてしまいます。
数度のやり取りや見積書を通じてこの実際に工事を行ってくれる人間性を判断する事が本来の目的になります。
まず、
見積書の内容で、その人の仕事に対する姿勢(誠実さ)がわかります。
そして、実際にあって話してみて、その人の人柄(人間性)がわかります。
そして、知識や経験、的確な説明などを聞く事により、その人の実績(職人性)がわかります。
そして、その結果お客様ご自身が一番良いと思われた、業者の仕事はきっとお客様を十分に満足させるものになるでしょう。本当の職人さん(業者)はこだわりを必ずもっています。
実際に、同業者が見ないとわからない様なところにまで、こだわっています。
普通に綺麗に塗った建物は、建物でしかありませんが、本当の職人さん達が塗った建物は、建物では無くそれは、作品です。
その人たちのこだわりが詰まった、たった一つの作品ではないかと私は思います。