見積書の見方

一般住宅外壁(屋根)塗装工事における見積書の見方

通常良く見られる見積書の見方(読み方)の説明になります。
数社から相見積をとった場合、又は、すでに外壁塗装をお考えの方で手元に見積書がある場合においての基本的な見方(読み方)になります。
私が考えるに、最低限見積書の提示に必要である項目等を記載した見積書の一例です。

工事業者を選ぶにあたって、業者の選定をする際の重要な確認箇所も含まれておりますので、見積書をの見方(読み方)をご理解される事は、重要になります。

稀に??ですが、巷で目にしたり、また聞いたりする
外壁塗装 建坪数 × ○○○○○○円 だとか 外壁塗装足場込 一式 ○○○○○○円
などという、理解し難いようなものはこちらの話には全く適用されませんので、ご了承願います。

この見積書の見方(読み方)での確認する為のポイントは

内容が明確かつ細部にわたって説明出来ているもの

となります。

では、以下弊社の見積書ご説明です。

実際に工事をさせて頂きました、お客様になります。
建物の概要は
造り/軽量鉄骨
外壁/ALCパネル
ルーフバルコニー/シート防水
となっています。

詳細は、
外壁/ALCパネル 既存 アクリル系トップコート仕上
ルーフバルコニー/ゴムシート仕上
木部/木目調生かし 着色仕上
となっておりました。

一般住宅外壁(屋根)塗装工事における見積書の見方

見積内容は、現状から察するに以下の仕様がベストであろうという事でご提案させて頂きました。
外壁/シリコン樹脂塗料 ALC目地 シーリング打
ルーフバルコニー/トップコート塗替
木部/防腐剤入り着色塗料仕上
樋/ウレタン塗装
以下、実際の見積りの内容のご説明になります。

実際の提出させていただきました見積書です。

一般住宅外壁(屋根)塗装工事における見積書の見方一般住宅外壁(屋根)塗装工事における見積書の見方※クリック拡大

一般住宅外壁(屋根)塗装工事における見積書の見方一般住宅外壁(屋根)塗装工事における見積書の見方※クリック拡大

まず、左からの説明になります。

一般住宅外壁(屋根)塗装工事における見積書の見方

名称は 架設足場掛け払い となっています。 
これは、工事をするにあたっての、仮設の足場を組み立てますという事になります。
一般的な見積書には、まず当たり前のように記載されている内容になります。

工法・仕様・規格の欄には、一側足場 打込式となっています。
一側足場とは、縦の柱にブラケットと呼ばれる三角形の金具を取り付けてその金具の上に板を通して、作業する場所を確保する方法になります。
他に「ブラケット足場」「ビケ足場」「棚足場」など呼ばれる名称は様々です。

一般住宅外壁(屋根)塗装工事における見積書の見方

この様な足場が一側足場になります。

他には門型の鋼材を組み合わせて造られる、「枠組足場」(ビテイ足場)というものや、鉄製の単管をクランプという金具を使用して縦の柱に抱き合わせて足場をかける、「単管足場」というものがあります。 通常、単管足場は狭い箇所に使う工法になります。

一般住宅外壁(屋根)塗装工事における見積書の見方枠組足場(ビテイ足場)

一般住宅外壁(屋根)塗装工事における見積書の見方単管足場

ここでチェック箇所はこの工法・仕様・規格の欄になります。
一側足場「ブラケット足場」「棚足場」もしくは門型足場「ビテイ足場」であればまずはOKです。
それは何故かと言いますと、塗替え作業は当然足場上で行われますので作業は行い易い方が好ましいです。
しかし、作業性の悪い足場(単管抱き合わせ足場や、丸太組み足場)ですと当然作業能率が落ちてしまいます。

次に、安全性に付きましても、「一側足場」「枠組足場」であれば比較的安全に作業を行う事が出来ますが、単管足場などの足場は、他の足場に比べますと安全性は劣ってしまいます。
安全性が劣るという事は、重大な事故に繋がる落下の可能性が起きやすいという事になります。
その様な、安全性に欠ける足場で作業した際に、万が一事故が起きないとも考えられません。
御自身の外壁塗替工事の際に、その様な事故が起きてしまったらひとたまりもありません。
事故が小さい場合ではまだいいでしょうが、大きな事故がご自身の普段生活されている家で起きてしまったら、気分的にやはり嫌な思いをされる事と思います。

他には、先に話しました作業性が落ちるという事は、この足場の場合では安全性も常に考えながら施工しなければいけないため施工能率が落ちてしまいます。
施工能率が落ちるという事は、時間が掛ってしまうという事です。
時間が掛るという事は、その分工事に対するお金も余計に掛ってしまうという事になってしまうのです。
お金が掛るということは、結果工事を受け持っている業者の利益が少なくなっていくという事になりますので、最終的に手抜き工事に繋がってしまう可能性があるという事になってしまうのです。(すべての業者がこうだとは思いません、可能性としてのお話です。)

一般住宅外壁(屋根)塗装工事における見積書の見方

名称は飛散防止ネットとなっています。

工事の際、塗料や洗浄の際の汚れた水が近隣に飛んでいって、2次的な事故を起こしにくくするためのネット(シート)になります。
このネットが無い場合は、洗浄時の汚れた水をさえぎるのネットが無い為、そのまま近隣に飛んでいってしまいます。
汚れた水ですので、その水が周りの建物や車に掛れば、当然掛った物は汚れてしまいます。
このネットは近隣に迷惑をかけない為にも必ず必要となります。
稀に、近隣が離れている場合などは使用しない場合もある様です。
通常はm²で表すことが多いようですが、数量が少ない場合は一式の場合や、また足場架設の費用の中に含まれている場合もあります。先に話しました、落下防止の安全性も共に兼ねています。

以上が仮設工事の内訳のご説明です。

尚、架設設置する際、仮設材と搬入する車両が建物の横に止める事が出来ない場合、他の場所から手で搬入するための費用が掛る事があります。主に、「運搬費」または「小運搬費」という名称です。

次に塗装工事の説明に入ります。

一般住宅外壁(屋根)塗装工事における見積書の見方

名称は、外壁高圧洗浄になります。
塗装する前の洗浄工事です。その他に「高圧水洗浄」であったり「施工面洗浄」であったり表記のしかたは沢山あります。単位はm²で書かれている事が一般的ですが、数量が少ない時は一式の場合もあります。
工法・仕様・規格の欄には12Mpaと書かれています。
12Mpaというのは圧力の表示方法で(メガパスカル)同様に120kgf(120kg/cm)と書かれている場合もあります。
ここでのチェックポイントは、洗浄は高圧なのか、そうでないのかという処になります。
汚れは当然圧力の高いほうが落ちやすく、低い圧力では落ちにくい(時間が掛る)です。
高圧洗浄の目的は、ゴミ、ホコリ、コケ、の他劣化(粉状になった塗装)した塗装(塗膜)高圧の洗浄水で洗い落とす事が目的となります。
従いまして、それ相応の圧力は必ず必要になってくるわけです。

まれにですが、本来の洗浄機を使わずに他の機械で洗っているような状況を目にします。
私は実際に、エアレスという吹付けをするための機械で洗っていたのを偶然見たことがあります。
どのような事でその機械を使われてその業者さんがされていたのかはわかりませんが、本来の使用目的とあまりにもかけ離れていた為に、未だに印象に残っています。
その機械は本来塗装する為の機械ですから、そんなに圧力は高くありません。
その様な低い圧力で、劣化した塗膜を洗い流す事が出来るのかどうなのかわかりません。

一般住宅外壁(屋根)塗装工事における見積書の見方

名称 外壁 シリコン塗装、工法・仕様・規格 弱溶剤エポキシシーラー+弱溶剤シリコン2回塗りとなっています。
単位はm²で書かれている事が一般ですが、数量が少ない場合は一式という場合もあるかと思います。
備考の欄にマイルドシーラーEPOクリーンマイルドウレタンと書かれています。(使用材料メーカーはエスケー化研という事を他の箇所で提示しておりますのでこの箇所には提示されておりません)

ここでのチェックポイントは、何を何でどうするかということになります。
何でという箇所は、備考の欄に書かれています。
これは、何の材料を使うかということです。
今回は下塗りにマイルドシーラーEPO、上塗りにクリーンマイルドシリコンという商品を使うということが
この事からわかりますが、見積書にこれが記載されているのと記載されていないのでは、全く違います。
といいますのも、一概にシリコン塗装といってもピンキリでして10,000円の物から高くなれば40,000円の商品まであってしまうのが実情です。

単純に一般的な考え方でアクリル<ウレタン<シリコンとなっていますが、この商品次第ではアクリル<シリコン<ウレタンとなってしまう可能性が十分あります。
一概にシリコンだから良いという事はありません。大事な事は、シリコンを前提に考えるとするならば、どのグレードのシリコンを使用するのかということが重要になります。
又は相見積をとっている際にはの相手先の業者がどのタイプのシリコンなのかわからないことには全く比較出来なくなってしまいます。安いシリコンと高いシリコンでは当然価格に差が出来てしまう為です。
また、商品名がちゃんと記載されている場合には、御自身で調べることもできます。
インターネットで調べることも出来ますし、メーカーに直接電話で問い合わせる事も出来るメリットがあります。

次にどうするかという箇所です。
こちらは工法・仕様・規格という欄に記載されています。
今回は弱溶剤エポキシシーラー + 弱溶剤シリコン2回塗となっています。
これより、弱溶剤エポキシシーラーを下塗りで使用するということがわかります。
そして、弱溶剤シリコン塗料を2回塗ということがわかります。
計3回塗ということがわかります。

明確に見積内容に3回塗ということが記載されていれば、間違いなく後から言った言わないの防止になります。
例えば、契約の際口頭で3回塗りますよと聞いていたつもりが、いざ工事の際にえ??上塗りは1回で大丈夫ですよ、厚く塗りますので。
とかいう話に変わってしまった事等を防ぐ事が出来るのではないでしょうか。

違った記載例では、下塗・中塗・上塗が別々の時の場合もあります。
また、上の振り分け欄の箇所「工法」が違う場合や「備考」が違う場合もあります。

ここでのチェックポイントは、何を「備考」どうする「工法・仕様・規格」がはっきり記載されている事になります。

たまに何がどうなのかはっきり分からない明細書を拝見する場合があるのですがその様な見積書(明細書)は却下したほうが安全かもしれません。

基本的には、論外です。

一般住宅外壁(屋根)塗装工事における見積書の見方

名称 軒樋・竪樋・塩ビパイプとなっています。
一般的に単位はmの場合が多いです。
数量が少ない多いに関わらず一式という場合もありますが、一式の場合は一度注意をしたほうが良いを思います。
通常一式の場合は他に工事が無くて、その工事しかない場合に良く使われます。
例えばこの例で言いますと、この工事しかない場合この為だけで現場に行ったとします。
すると、まず人件費がこの工事だけで掛ってしまいますので最低掛る人件費 15,000円~25,000円(する業者によってこの価格はまちまちです)となります。
それに材料費が掛ってきます。この例で言えば8,000円程度掛る事になります。(新規で発注したとして)
従いまして、合計で23,000円~33,000円という金額になってしまいます。
この場合は割高になってしまいますよね。
逆に一式でも安く出してある場合はラッキーです。

もし、この樋を塗るために、新規で材料を発注する場合であれば材料代が掛ってしまいますので、割高になり一式の表記も仕方が無いのかもしれませんが通常は大体業者の在庫でその指定色を調色して準備する場合が多いです。
ですので、m計算で十分対応出来る場合の方が多いのではないかと思います。
といった様に、式で記載されている場合は一度その内容を確認したほうが良いと思われる箇所になります。
そもそも、計測ぐらい大した手間になりませんので、その計測をせず一式表記するのもその業者の姿勢ではないでしょうか、と私は思います。

工法・仕様・規格の欄には
通常ケレン(3種) + 弱溶剤ウレタン塗装 2回塗となっています。

まず、この箇所の重要なところは、ケレンという内容があるのか無いのかとなります。
ケレンというのは、通常塗装する前に、サビであったり汚れであったりその他付着物がある場合、その様な箇所を綺麗にするための前段階の準備になります。
この項目がなくても、通常はする事が普通ですので当たり前の事なんですが、やはり明記されてあると安心感はあります。
そして、ケレン種類も書かれている場合にはどのようなケレンをするかということもわかりますので良いと思います。
ケレンの種類は1~4種まで規格がありまして、通常一般的なもので3種ケレンというものになります。
3種ケレンというものは、手工具を使ってサビや浮きを除去し、活膜は残すという方法になります。

その他に重要な内容は、今回のご紹介の見積書には入っておりませんでしたが、鉄部の塗装という項目も通常良くある項目になります。
鉄部の塗装というものは庇や換気扇フード等鉄製の部位の塗装です。工法・仕様・規格の欄には今回お話しました内容+サビ止めという工程が入っているのが一般的な記載例になります。
このサビ止めも塗料のひとつになりますので、当然、一概にサビ止めといっても様々なグレードがあります。
ホームセンター級のものから、高速道路に使われている様なハイグレードなものまで用途によって様々です。
その使用する商品がどのようなものかという記載とそれをどのように塗るか(全面なのか部分なのか)という記載が、一緒にわかるような見積書が一番理想的な見積書になるのではないかと思います。

一般住宅外壁(屋根)塗装工事における見積書の見方

名称は木製手摺 となっています。
この見方も今までの見方と同様になります。
この内容でわかることは、木製手摺17.5m²を日本エンパイロケエミカルというメーカーの
キシラデコールという商品で、ケレン(3種)を行った後2回塗るという事がわかるかと思います。

この木製手摺は形状により単位がmの場合もあれば、一式の場合もあるようです。

一般住宅外壁(屋根)塗装工事における見積書の見方

名称が屋上防水トップコートとなっています。
現状がシート防水となっておりまして、程度がまだ良好だったため保護層のトップコートのみ塗装をした場合の内容になっています。
こちらは、今までと違い単位が式になっています。
何故なのかといいますと、先ほど樋の箇所でちょっと説明しましたが、この材料は、新規で発注しないといけない商品でした。
通常現状の数量を単価で掛けて計算する事が一般的ではありますが、今回の場合では通常の計算方式で計算した金額がこの材料費を購入する際に掛ってしまう金額とほぼ変わらなくなってしまった為、人件費(工賃)がまったくでない状況になってしまいました。
ですので、こちらだけは例外として一式出しとさせて頂いた事例になります。
通常は、単位の箇所はm²という事が普通になります。(数量がある場合)

一般住宅外壁(屋根)塗装工事における見積書の見方

名称 サッシ廻りシーリング打 (打替) となっています。

内容の見方は今まで同様同じとなります。
しかし、ここでのポイントは(打替)となっている箇所なります。
これは、良くあることですが、シーリングをやり替える際、既存のシーリングを撤去せず上から打ち被せることが良くあります。
状況にもよりますが、劣化して打ち替えないといけない状態では、上から被せてもさほど意味がありません。
塗装の一回塗りなのか二回塗りなのか同様、シーリング工事をする際には非常に重要な箇所になりますので、明確に記載があったほうが良いと思います。
上から打ってしまえば、撤去したのかどうかわかりませんので、明確にはっきりさせておいたほうが、後々問題になりにくいと思います。

今回の場合ですが、造りはALCでした、シーリングの上には既存の塗膜もある状態でしたのでシーリング自体はまだ良好な状態でした。
十分打ち被せても問題は無いようでしたが、サッシ廻りに新規でシーリングをする打ちシロがなかった為、撤去して打ち替えるという工法を今回は取りました。
ですので、打ち被せ(増し打ち)でも十分シーリングの機能はしていたと思われますが、今回この箇所は敢えて、打ち替えを行いました。

単位はmもしくは数量が少ない場合は一式になっています。

一般住宅外壁(屋根)塗装工事における見積書の見方

名称 ALC目地シーリング打ち (打増)となっています。

説明は先ほどのシーリングと同様になります。

こちらの場合は上記の判断内容から、上から被せる工法をとりました。
シーリングを打つ、打ちシロも十分にありましたので、撤去せずに既存のシーリングの上からシ再度シーリングを打っていきます。

以上が簡単ではありますが、今回の見積書を見る際にあたっての見方(読み方)になります。

どの業者の見積書を見る際にも、基本はすべて同じです。

まとめますと、何を(部位)・何で(商品名)・どうするのか(施工方法)という事につきます。

見積書を見る際には細かく丁寧に出してある業者の方が、見積書に対する姿勢がそうである様に、当然仕事も細かく丁寧にやってくれる可能性があります。
仕様の欄も明確に記載されている場合の方が、一目で内容がわかりますので後々の問題にはなりにくいです。
逆に大雑把な見積書の場合は、見積書に対する姿勢がそうである様に、仕事も大雑把になる可能性があります。

あくまで、これは可能性で違う場合もあるかとは思いますが、皆さんが見積書を見る際の参考になればと思います。

最後にもう一度言いますと、

見積書は内容が明確であるかどうか、

そしてその見積書から、見積提出業者の会社の姿勢(細かく見積をする業者か大雑把なのか)を判断する。

それが、実際の工事の内容に反映してくるになるのではないかと思います。

以上この二点が見積書の見る際に注意するチェックポイントです。