塗替え工事の目的がはっきりした後、その目的に合う業者に見積りを依頼する事になります。
見積りは当然1社のみに依頼するよりも、数社に依頼したほうが内容が比較しやすいというのもありますし、その見積りをする業者(担当)が現在の建物に対してどのような施工方法がベストなのかという考え方が分かりますので、数社数人からは依頼して内容を聞いた方が良いかと思います。
まず数社に依頼をしてそれから、少しずつ絞りこみ最終的に1社に絞っていくといった方法をとられる事が一番ベストではないでしょうか。
と言いますのも、1つの症状において施工方法が1つとは限られません。
数人いれば、最低その人間の数は考え方もありますので、対処方法も変わってきます。
例えば、クラック1つにおきましても、
そのクラックが何故起きたのか
そのクラックは建物に対してどのような弊害があるのか
どのような処置をすることがベストなのか
それをする事によっての効果はどのようにあるか(メリット・デメリット)
等色々ありますので、考え方はさまざまになります。
単純にクラックの処理の方法といいましても4つ程の工法があります。
その中で、どのような工法を提案をしてくるのかで、知識の差、経験の差が出てきますので、施工方法を確認する事が、今後業者を絞り込んでいく際の検討するポイントになってくると思います。
まず、頼む際に建物の図面があれば準備しておきます。
図面がある場合は、その図面から数量を図り出しますので、数社に見積りを依頼した場合でも、大体見積りの項目の数量が似通ってきます。
例えば、
A社 外壁塗装 135m²
B社 外壁塗装 130m²
C社 外壁塗装 136m²
といった具合です。
ない場合は現場で直接測る、現調という作業が必要になってきます。
各壁を1つ1つ測って計算していくのですが、どうしても高さがある為に2F廻りは目測でしか測れない場合が多くなります。
ですので、誤差が出やすい状況になってしまいます。
総2階建の場合は、それほど問題はないのですが、2階廻りが入り組んでいる場合などは、かなり測り方によって各社の測定に違いが生じてしまいます。
数社に相見積りを頼む目的は、比較する事が目的ですので、各社数量が違ってしまえば比較がしづらくなってしまいます。
ですので、図面がある場合は用意しておくと便利です。
次に、各見積り業者には、相見積という事をはっきり伝えておいた方が良いと思います。
相見積という事は、当然競合相手がいるという事ですので、その事が価格に反映してきやすいです。
1社だけの見積りであれば、見積りする業者は通常の単価で計算するだけでしょうが、やはり競合相手がいる場合でしたら、その競合に勝って契約を取る為には、価格面を多少とも努力してくる場合が多いようです。
ある意味心理戦ですが(笑)、現実公共工事を受注する際にも、この様な方式をとって価格を競い合わせています。
いわゆる入札というものになります。
入札とは、事前に国(県・市)から依頼された数業者が工事の価格を選挙の投票の様に、投票します。
その結果、価格が一番安い業者が各札すると言った方法です。
この場合では、工法などの詳細な内容は、国が定めていますので、単純に金額の競い合いだけです。
予断ですが、現在は比較的小さな規模の工事(Dランク)では1入札に指定されている業者が10社程選ばれましてその、業者の中で工事の取り合いになっています。
この様なご時世なので、やはり、仕事の取り合いになりますので、ほとんどの業者が国の定めた最低入札価格で入札しています。
ですので、10社の内6・7社が最低で入札して落札決定後、今度はその中で、くじ引きで決定されます。
様は、くじ運が良い業者が落札するといった感じになっています(笑)
これが、昔は入札業者が1工事あたり4・5社ほどでしたので、その中で話し合いをして順番に落札出来るように価格を決定していました。
いわゆる談合というやつです。
その様な談合を阻止するために話し合いで、まとまらない様に入札業者を増やしたのですが、その結果、現在の不景気も重なって、工事の取り合いとなってしまって、今ではくじ引運にすべてが掛っているというような事になってしまっています。
話がちょっとそれましたが、数社で競い合わせて価格を比較出来るメリットがありますので、見積りを依頼する業者には、はっきりと相見積であることを伝えておいた方が良いと思います。
ある程度この見積り内容で、業者の姿勢を判断することが出来ます。
見積書の見方は別ページに詳しく書いておりますので、そちらを参考にして頂きますと助かります。
ここでは、違った側面から見積書を見ていきたいと思います。
見積書というのは、ある意味その工事を受け持つ事になる業者の鏡のようなものになります。
わかりやすく言えば、その業者の性格が表れます。
見積書の内容が詳細にわたり詳しく書かれている場合や、何をどうするという事が書かれているような内容の見積り業者は、大体細かいところまで仕事を施工してくれやすい業者ではないかと思います。
直接施工業者に見積りを依頼する際には、大体工事をする本人が見積りに伺いますので、
その本人が作成した内容の見積書が細部にわたり詳しくかつ丁寧に作られている場合には、実際の工事にもそのことが反映されてくるように思います。
見積書が、丁寧で細かく記載されている場合、ある意味その作成者(工事をするもの)の性格も丁寧で細かいところまで気遣ってくれる(几帳面)と思われるからです。
逆に、大まかな内容のな見積書だったとします。
大まかな内容とは、見積書を見た際に細部の説明が省かれていたり、必要以上に一式というのがあったり、というようなものです。
例えば、下地補修の項目があったとします。
あまり良くない例では、
下地調整 ○○m² 目地処理含む ×××円 備考 クラック補修共
や、本当に悪い例は
下地補修 一式 ×××円
といった記載例です。
この場合でいいますと、下地調整は当然あるべき項目になりますが、その内容が全く分かりません。
現状の下地をどのように処理するのかで当然金額がかわってきますので、本来では内容も同等ではないと比較は出来ません。
前者の場合で言いますと、目地処理含むと書いてありますが、その目地をどのように処理するのかが全く分かりません。次に単純にクラック処理も、埋めるだけの工法とカットしてやり直す工法とでは、金額が全然変わってきます。
つまり他の見積書と、非常に比較がしにくい見積書になっています。
比較とは、再度書きますが、内容が同じではないと比較になりません。
そうでなければ、単純に総額の比較になってしまいます。
内容を十分検討して適切な処置を行う時、場合によっては高くなってしまう事は起こりえます。
したがって、見積書とは誰が見ても何をどうするのかという事がはっきりわかる内容が一番ベストな見積書になります。
そして、このような見積書の場合でいいますと、先に指摘したように、直接施工業者に見積りを依頼している場合は、工事を施工するものが見積りに伺いますので、この大雑把な見積書を提示してきた場合は、当然その工事を受け持つものの姿勢も大まかではないのではとも思われ、その場合、工事の内容も大まかになる可能性があるのではないかと思われます。
このような事を踏まえながら見積書を見て頂きますと、また違った見方が出来るのではないかと思います。
見積り比較の際には、総額に目がいってしまいがちですが、本当の意味での比較とはその内容も加味して比較すると、より一層正しい比較が出来ます。
総額では、A社が安いと言った場合でも、実際の中身を良く検討してみると実は、総額は高いB社の方が安かったという事も良く起こりえるものなのです。
それと、直接施工業者が見積書を提出している場合は、その見積り内容でその工事をする業者の性格を見抜く事により、中途半端な工事にならない為のポイントになります。
見積書が大雑把なような施工業者は仕事も同様である様になりやすいですので、見積りは正確にそして詳細まで明確に書いてある業社を選んだほうが後々後悔する事が少ない様に思います。
直接施工業者以外の見積書の場合(ハウスメーカーやリフォーム業者等)だと、上記の内容はすべては当てはまりません。
何故ならこの場合では、実際に施工する業者が見積りには伺いませんので、この見積書からは実際に施工を担当する業者の姿勢まではわかりませんので、実際の工事内容に直接結び付くかは不明だからです。
数社の見積書を以上の事にそって比較すると業者を絞り込む事が出来ると思います。
この項目で書く事は、次に実際の価格を決めていくための作業になります。
数社の見積書の中で、ある担当者の見積りの内容が、お客様の目的にもっとも適したものであったとします。
その見積書の内容で、まだ他に候補の業者がある場合には、その業者に再度見積を依頼し直します。
今度は、内容はすでに決まっているので、後は金額の比較になります。
この時、見積りを再度依頼する業者に対して、全く同じ内容で見積りを依頼しないと意味がありません。
この作業は、金額の単純な比較という事が目的になりますので、違った見積もりでは比較が出来ません。
つまり、1番良いと思われる業者の見積書の明細部分のみを、第二候補の業者に渡すといった方法が良いでしょう。
この時に大事なのは、金額は伏せた明細のコピーを渡さないといけません。
再度見積りする業者に対して金額が分かってしまえば、その金額より下であれば工事を受注出来るとわかってしまう為、金額の調整だけ行って見積書を作ります。
この時点で、依頼する先が決まっている場合は、実際の見積書を見せて、本音の話をしても良いかとは思いますが、実際に依頼する業者が決まっていない場合には、金額は伏せておいた方が賢明です。
あとは、業者名も出来れば伏せておいた方が良いでしょう。
普通は何も気にならないのかもしれませんが、そもそも単価の欄にある金額は何故、各社によってまちまちなのでしょう。
A社は1,600円しかしB社は1,900円、そしてC社は2,000円といった具合に金額がまちまちなのが一般的です。
しかし、調べていくと何故その金額なのかといった根拠がわかる場合があります。
そもそも、塗装の単価は他の商品同様定価が設定されているのが普通です。
あまり表には出てきませんが、大体どの塗料にも決まって価格が決められています。
例えば、エスケー化研の商品で言いますと、クリーンマイルドシリコンという商品は2,100円/m²、下塗り材のソフトサーフSGという商品は1,200円/m²という様に、価格が決まっています。
この様な価格を通常、設計価格と呼びます。
この価格は材料メーカーがこの材料で施工する際には、○○○○円で施工をしてくださいといった価格です。屋根を塗替える際に使用する塗料にも、同様にこの設計価格はあります。
外壁や屋根以外の部位(例えば破風板や格子等の塗装する箇所)も設計価格は決まっています。
これらは、各メーカーが設定しているものではなくて、財団法人経済調査会が決めています。
このような、設計価格がわかればその角度からも見積書を見ていく事が出来る事になります。
A社の1,600円という価格はこの設計価格によると、2,100円ということになりますので、約25%引き位の金額という事になります。B社では1,900円ですので約10%引きですね。
C社では、5%引きとなっています。
多少主観的な判断で申し訳ありませんが、通常定価から20~30%引きで商品は通常買う事が出来る事が多いのではないかと思います。
と考えますと、B社C社は少し高いのではないかと判断できます。
このように見積り金額を設計価格と比較することで、業者を特定することも出来ます。
見積書は大体すべてにおいて必ずその価格の根拠があり、その根拠を元に自社の見積り金額を設定する事が一般的です。
単純に大体これぐらいだろうと踏んで金額を決めている業者の場合では、その根拠があいまいなので、明確に説明できない場合が多いようです。
つまり、明確に価格に対する説明が出来る業者は、そのような姿勢で見積書の作成に臨んでいるということであり、信頼できる業者と思われます。
逆に説明出来ない業者は、その様な知識があるか無いかに係わらず、根拠がない価格で見積書を作成しているという事にもなりえます。
設計価格の存在は、塗装業界では通常どの業者でも知っている事です。
その存在を知らないという事は、普通では考えられませんので、そのような事を知らないと言った業者の場合は明らかに知識不足だという事がわかります。
また、知っていたとしても自社設定価格において、明確な価格の根拠が説明出来ないような業者では、その設計価格を元に金額を決定していないという事がわかります。価格の根拠付けがないままに、経験のみで金額設定しているような場合です。
理想的な業者では、この金額に基づき自社価格を設定しています。
「設計価格が幾らですので、この金額の○○%引きでこの金額を計算しております。」
といった、明確な説明が出来る事でしょう。
単純に金額だけでみるよりも、何故その金額なのかという事を尋ねてみると、また違った角度でその業者の姿勢が見えてきます。
最初の業者は明らかな知識不足、次の業者はある意味大まか、最後の業者は几帳面といったような、業者の姿が見えてきます。
実際に、どの業者も同じような金額で見積書が出て比較する際に迷うような時でも、この事によりどの業者に依頼すべきか判断する事が出来ます。
ただし、例外としてこの設計価格よりも高くなる場合も時にはあります。
例えば、塗る外壁の形状が必要以上に複雑であったり、もしくは、通常の場合で使用する材料以上を使わないと塗る事が出来ない様な外壁では(スタッコと言われる外壁)時と場合により設計価格と同等か、もしくはそれ以上になってしまう事が稀に起きてしまいます。
それは、設計価格というものは、基本的にフラットな物に塗装する場合において決定してあるものなので、想定外の下地の状況においてはその価格が適応されないケースがある為です。
普通の商品を買う際には定価以上にはまずならないのですが、この塗装というものはこの様な観点から、定価があってないような物になってしまっています。
しかしながら、通常では設計価格より高くはなりませんし、万が一高いとしても同等の価格程度で十分施工が出来ます。
見積書は見ていく際には、このような細かいところの金額等も合わせて比較をしてみて下さい。
もし、機会があれば聞いてみてください。
「この○○○○円というのは、何故その金額なのですか」と
その質問1つでわかります。
根拠がある業者でしたら、すべての単価において明確に答える事が出来るでしょう。
曖昧に誤魔化している様な業者は、知らないか、知っていたとしても、その価格をはっきりと覚えて無い事が多いですので、明確な答えになっていない場合が多いです。
ここでのまとめは、まず見積書の内容で、その工事にかかわる業者の姿勢を判断する事が重要になります。
明確な内容の見積りを持ってきた業者を、選んでおいた方が間違いが少ないように思います。
そして、実際に会って話す事により、実際工事を受け持つ人間の姿勢や知識の豊富さ、経験などが少しでもわかれば、工事に対する信頼にもつながるため、業者と実際に話をして見積書を見ていくと良いでしょう。
また、候補の業者がまだ数社ある場合には、それらの業者に再度見積りを依頼する事で一層価格を比較することが出来ます。
そして、その価格の根拠を知る事で、より一層その業者の業務に対する姿勢を見る事も出来ます。